航空法が2021年6月に改正され、2022年12月に無人航空機(ドローン)に関するさまざまな「新制度」が施行される予定です(ドローンの新制度に向けて)。
その一つが操縦ライセンス(技能証明)制度(国家資格)となります。
操縦ライセンス(技能認証)制度とは、無人航空機(ドローン)を安全に飛行させるための知識や能力があることを証明する国家資格制度です。
これまで民間管理団体が運用管理していた技能認証(ドローン操縦の資格・ライセンス)とは異なり、自動車の運転免許などと同様に国が設立、運用管理するものになります。
目次
操縦ライセンスの取得
操縦ライセンス(技能証明)は、学科試験、実地試験、身体検査に合格することで取得できます。
取得方法は、次の2つの方法が予定されています。
①国の登録を受けた講習機関(登録講習機関)において、学科および実地講習を受講し、修了審査に合格することで、実地試験の免除を受けることができる予定です。この場合、修了審査合格後、指定試験機関の実施する学科試験と身体検査に合格することで操縦ライセンスを取得することができます。
②国が指定する指定試験機関で直接実施する学科試験、実地試験、身体検査に合格することで操縦ライセンスを取得することができます。
登録講習機関
令和5年6月1日現在、航空局に登録されている登録講習機関の詳細は、「登録講習機関一覧」をご確認ください。
株式会社UAV JAPANも、登録講習機関として登録が完了しております。
国家資格としての操縦ライセンス(技能証明)取得を目指される方は、是非ご検討ください。
登録講習機関コード:0268
法人名 :株式会社UAV JAPAN
事務所コード :T0268001
事務所名 :UAVJAPANドローンスクール
・一等無人航空機操縦士 講習機関
回転翼航空機(マルチローター)種類の限定解除:なし
飛行方法の限定解除:目視内飛行、昼間飛行
・二等無人航空機操縦士 講習機関
回転翼航空機(マルチローター)種類の限定解除:なし
飛行方法の限定解除:目視内飛行、昼間飛行
指定試験機関
試験は、改正航空法の施行日である2022年12月5日より段階的に開始されます。
試験申込のためには、事前に次の手続きが必要となります。
・国土交通省の技能証明申請者番号の取得
技能証明申請者番号は、「国土交通省のホームページ」から取得できます。
・指定試験機関の利用者(マイアカウント)登録
マイアカウントの登録は、指定試験機関の「試験システム」から行うことができます。
2022年12月5日から無人航空機操縦士試験の受付が開始されました。
受付を開始した各試験の概要や各試験の手数料などについては、「【お知らせ】無人航空機操縦士試験の受付開始」からご確認ください。
試験の概要
学科試験
学科試験は、指定試験機関にて、CBT(Computer Based Testing)方式で実施される予定です。
形式: 三肢択一式(一等:70問 二等:50問) 100点満点
試験時間: 一等ライセンス 75分、 二等ライセンス 30分
合格基準: 一等ライセンス 80点以上、 二等ライセンス 70点以上
試験科目: 無人航空機に関する規則、無人交通機のシステム、無人航空機の操縦者及び運航体制、運航
上のリスク管理
有効期間: 合格後2年間
なお、国土交通省より学科試験サンプル問題が公開されていますので、ライセンス取得にご興味のある方はご確認ください。
実地試験 回転翼航空機(マルチローター)
実地試験では、ドローンを安全運用するための操縦技術や必要知識について判定されます。
実地試験では、机上試験、口述試験及び実技試験が実施されます。
机上試験:飛行に必要な知識を有するかどうかを判定
口述試験:飛行前点検、飛行後の点検と記録、事故、重大インシデントの報告
実技試験:対象となる飛行に係る操縦能力を有するかを判定
一等無人航空機操縦士(昼間飛行+目視内飛行)飛行経路
二等無人航空機操縦士(昼間飛行+目視内飛行)飛行経路
身体検査
身体検査は、視力、色覚、聴力、運動能力等を測定します。
操縦ライセンスの種類
操縦ライセンスには、一等無人航空機操縦士と二等無人航空機操縦士の2種類があり、有効期間3年で更新には講習受講が必要とされており、取得可能な年齢は16歳以上とされています。
一等無人航空機操縦士
可能となる飛行レベル:レベル4
可能となる飛行カテゴリー:カテゴリーIII
一等ライセンスを取得することで有人地帯かつ目視外の「レベル4」までの飛行が可能となります。
二等無人航空機操縦士
可能となる飛行レベル:レベル3
可能となる飛行カテゴリー:カテゴリーII
二等ライセンスを取得することで、レベル3飛行までのうち、これまで許可承認が必要であった飛行申請の一部が省略・免除されることになります。
ドローンの飛行レベル
レベル1:目視内での操縦飛行
レベル2:目視内飛行(自動/自立飛行)
レベル3:無人地帯での目視外飛行
レベル4:有人地帯での目視外飛行(現行法は原則禁止)
ドローンの飛行カテゴリー
カテゴリーI: 特定飛行に該当しない飛行、航空法上の飛行許可・承認は不要。
カテゴリーII: 特定飛行のうち、無人航空機の飛行経路下において立入管理措置を講じたうえで行う飛
行。(=第三者の上空を飛行しない)
カテゴリーIII:特定飛行のうち、無人航空機の飛行経路下において立入管理措置を講じないで行う飛
行。(=第三者の上空で特定飛行を行う)
飛行カテゴリー決定のフロー図
ここに見出しテキストを追加
操縦ライセンスと機体の種類
操縦ライセンスは、飛行させる機体の種類によって3つに区分される予定です。
・回転翼航空機(マルチローター)
・回転翼航空機(ヘリコプター)
・飛行機
なお、テルト機(VTOL):回転翼と固定翼の両方の能力を持ち合わせた垂直離陸機を操縦するためには、回転翼航空機「マルチローター」と飛行機の2つのライセンスが必要とされています。
基本ライセンスと限定変更
一等および二等の基本ライセンスは、「昼間飛行」+「目視内飛行」を対象としています。
この基本ライセンスに加えて3つの限定項目(「目視外飛行」、「夜間飛行」、「最大離陸総重量25㎏以上の機体」)があります。
・基本ライセンス:昼間飛行+目視内飛行
・限定変更:目視外飛行
・限定変更:夜間飛行
・限定変更:最大離陸総重量25㎏以上の機体
例えば、「25㎏以上のドローンを使って第3者上空の目視外飛行」を行う場合は、一等基本ライセンスとともに2つの一等限定変更(目視外飛行および最大離陸総重量25㎏以上の機体)の取得が必要となります。
登録講習機関における必要講習時間
登録講習機関において必要となる講習時間は、受講者のドローン飛行経験によって分類され、「経験者(民間資格を取得している方や実務経験が豊富な方など)」については、「初心者」よりも短時間で修了できることになります。
学科講習
学科講習は、「無人航空機の飛行の安全に関する教則」をもとに登録講習機関が実施し、学科試験もこの教則に沿った内容で実施されます。
なお、この教則は、無人航空機を飛行させるのに必要な最低限の知識要件及び学科試験において求められる最低限の知識要件が記載されています。
民間ライセンスとの関係
まず前提として、民間ライセンスを含め2022年12月4日まで実施されている運用はこのまま継続されます。
2022年12月5日からは、これまでの制度に上乗せされるかたちでドローンの国家ライセンス制度がスタートします。
従って、国家ライセンスを保持しなくても、飛行申請を提出し、許可・承認を受ければ、今まで通りに業務としてドローンの使用は可能です。
上記の通り、登録講習機関における必要講習時間は、受講者の事前経験の有無により「初学者」と「経験者」の2通りがあり、国家ライセンスの種類により「一等」と「二等」の2通りがあり、それぞれのカリキュラムが用意されています。
なお、「経験者」は「初学者」に比べ、学科講習や実地講習のカリキュラム減免対象者となります。
「経験者」は、民間ライセンスを取得されていれば対象者になります。
二等ライセンスと民間ライセンスとの違い
一等ライセンスについては、二等ライセンスや民間ライセンスとの大きな違いは、これまで認められていなかった「レベル4」までの飛行が可能となることです。
では、二等ライセンスと民間ライセンスとの違いはどこにあるのでしょうか。
現時点で、二等ライセンスと民間ライセンスでは、飛行が可能な特定飛行(飛行空域および飛行方法)においての違いはなく、飛行申請作業が一部不要になるという点が大きな違いになります。
特定飛行の一部が免除されるための条件
特定飛行の一部(DID地区上空、目視外飛行、夜間飛行、人、物との距離30m未満)が免除されるためには、次の条件が必要となります。
ドローンの飛行ルートの下やその周辺に第三者が立ち入らないよう立入管理措置を講じた上で、機体認証(第一種または第二種)および操縦者技能証明(一等または二等)の両方を取得した人のみが上記の4つの特定飛行を行う場合は申請承認が不要となります。
レベル4飛行を行うことができる条件
第三者上空での補助者なしの目視外飛行(レベル4飛行)を行うためには、国家資格である一等ライセンスの取得は必須となります。
ただし、一等ライセンスの取得に加え、第一種の機体認証を取得取得したドローンを使用すること、拡充された運航ルールとして、共通ルールである基本的な安全対策に加え、計画するドローン運航に応じたリスク評価結果に基づくリスク軽減策を拡充した飛行マニュアルを作成・遵守する必要があります。
運航ルールの基本ルール
- 飛行計画の通報:飛行の日時・経路・高度などを通報し、他ドローンとの飛行計画と重複を防ぐ。
- 飛行日誌の作成:飛行場所・時間・整備状況などを記載した日誌を備える。
- 事故報告の義務:人の死傷、物損事故、航空機との衝突など事故や重大インシデントが発生した場合、発生日時、場所、事案の概要の報告を国に行う。
- 負傷者の救護義務:負傷者の救護や警察・消防などへの連絡など必要な措置を行う。
UAVJAPANは大阪に拠点を置き、空撮・点検・測量など様々なドローン関連事業を展開しています。
ドローンスクールでは、基礎からビジネス向けの操縦技術および法規制から飛行申請実務まで充実したカリキュラムを受講いただけます。
ドローンに関わる業務への進出やドローン操縦の資格取得など、ご興味がありましたら是非、お気軽にお問い合わせください。