ドローンに関わる法律や規制

ドローンに関わる法律や規制

2020/01/09

近年ドローンは様々な分野で活用されてきています。
例えば空撮では、今までに表現できなかった構図で写真や映像を撮ることができるようになりました。
農業では、ヘリコプターを用いて農薬散布していましたが、ドローンで廉価に代替することが可能になりました。
その他にも、点検、物資輸送、プログラミング学習など、これからもドローンの活用分野は増えていくことでしょう。
活用分野が広がるにつれ、ドローンがより身近なものになってきていますが、実際に飛行させる際はどのような法律や規制が関わってくるのでしょうか。

ドローン飛行に関わる法律では、航空法が有名ですが、その他にも覚えておきたい法律や規制がありますので順番にご紹介したいと思います。

  • 航空法
  • 小型無人機等飛行禁止法
  • 道路交通法
  • 民法
  • 電波法
  • 各都道府県や自治体などの条例

この他にも、ケースや目的によっては港則法や河川法、産廃法など関わってくる法律は様々です。
どういう法律に気を付ければ良いかわからない場合は所轄の行政機関や管理局などに確認するようにしましょう。

航空法による規制

飛行禁止区域

バッテリーを含めた機体総重量200g以上のドローンは航空法の規制対象となります。
航空法では飛行禁止区域が設けられており、飛行許可申請をしないと飛行することはできません。

飛行禁止空域とは「人口集中地区の上空」「空港等の周辺の上空の空域」「150m以上の高さの空域」
の3つの空域が規制対象となります。

    • 人口集中地区の上空

5年毎に総務省統計局が国勢調査を実施し、その結果に基づいて設定されるのが人口集中地区です。DIDなどと呼ばれたりします。5年毎に更新されるため、常に最新の情報で確認するようにしてください。
人口集中地区は国土地理院の地理院地図や専用のスマホアプリなどから確認できます。

    • 空港等の周辺の上空の空域

進入表面、転移表面、円錐表面の上空の空域、進入表面がない飛行場周辺の航空機の離着陸に影響を与える恐れのある空域は飛行禁止区域となっています。

    • 150m以上の高さの空域

地表または水面から150m以上の高さの空域は飛行禁止区域となっています。地表からの距離ですので、高いところから低い方向へと飛行させる際は地表との距離が開く傾向にあるということを認識し、うっかり150m以上の高さにならないように注意が必要です。

飛行のルール

航空法では飛行禁止区域の他にも飛行のルールが定められています。
これらの規制外で飛行させる際は、もちろん飛行許可申請が必要になってきますのでご注意ください。

1 日中(日出から日没まで)に飛行させること
2 肉眼による目視の範囲内でドローンとその周辺を常時監視しながら飛行させること
3 第三者、建物、自動車等との間に30m以上の距離を保って飛行させること
4 祭礼、縁日など多数の人が集まる場所の上空で飛行させないこと
5 爆発物など危険物を輸送しないこと
6 ドローンから物を投下しないこと

小型無人機等飛行禁止法

航空法以外にも小型無人機等飛行禁止法という法律でもドローンの飛行が規制されています。
本法では国の重要施設などの敷地内及びその周辺300mでの飛行が規制されています。
規制対象となる施設は以下の通りです。

    • 国の重要施設等

・国会議事堂
・内閣総理大臣官邸
・対象危険管理行政機関(機関・庁舎を政令で指定)
・最高裁判所
・皇居
・対象政党事務所

    • 対象外国公館等
    • 対象原子力事業所
    • その他(令和元年5月追加分)

・自衛隊施設
・米軍施設
・五輪会場
・空港施設

最近、販売されているドローンの中には200g未満の航空法に該当しないトイドローンも存在しますが、小型無人機等飛行禁止法等の法律ではこのようなトイドローンであっても規制対象となるため注意が必要です。

道路交通法

道路交通法では直接的に上空に対する規制はありません。しかしドローンは飛行させる際に地表から離陸させる必要があるため注意が必要です。
一般交通に著しい影響を与える可能性がある場合は所轄の警察署長の許可を受ける必要があります。
二つの管轄にまたがる飛行の場合はいずれかの所轄警察署長の許可を受ければ問題ありません。

民法

土地の所有権は法令の制限内においてその土地の上下に及びます。
そのため、他人の所有する土地の上空を飛行する際には許可を取る必要があります。
山などは土地の境界線が曖昧で思わぬトラブルに発展する可能性もありますので注意が必要です。

電波法

国内において電波が発生する製品は電波が混線しないように特定無線設備の技術基準適合証明、いわゆる技適マークの取得が義務付けられています。海外製品の中には技適マークを取得していないドローンもあるため、飛行させるには無線局の免許が必要になるケースがあります。
ドローンレースなどに使用されるFPV対応ドローンもその中の一つです。例えば、5.8Ghzのドローンの無線電波は「アマチュア無線技士(四級以上)」の国家資格が必要となります。購入前に確認するようにしましょう。

各都道府県や自治体などの条例

大阪府ではすべての公園でラジコン、ドローンなどの飛行を禁止しています。
また淀川周辺ではドローンの飛行を迷惑行為、禁止行為として規制しています。
このように、各都道府県や団体により規制が定められていることもありますので、事前に確認するようにしましょう。

法律や規制を守ってドローンを飛ばそう

各法律に違反した場合は罰金または懲役刑に科せられる可能性があります。
毎年、法律や規制内容を知らずに違反を犯す人が絶えません。
ドローンの飛行にはリスクがあるということをしっかりと認識した上で、各種許可申請を行い、安全面に考慮する必要があります。
正しい知識を身に付けた上で、楽しいドローンライフを送りましょう。

当ドローンスクールでは、法律・規制の他にもドローンの飛行に関する知識をプロ指導の元、学ぶことができます。
体験コースもご用意しておりますのでお気軽にお問い合わせください。