ドローンと保険 2021/08/09 2022/06/12 お知らせ ドローンを空中に浮かばせているのは、プロペラが回転することで生じる「揚力」です。ドローンが空中で静止する「ホバリング」の状態は、揚力と「重力」(機体の重量)が釣り合うことで成立しています。重力が働く地球上において、空を飛ぶものは落下するリスクを常に背負っています。何らのトラブルにより揚力を失えばドローンも必ず墜落してしまいます。 ドローンは空を飛行するものである以上、墜落リスクを抱えているため、第三者の人や物に被害を与える可能性や機体自身が故障や破損する可能性は常に想定しておかなければなりません。 従って、ドローン飛行に際し、万が一の事故に備えて保険加入しておくことが重要です。 目次 保険加入は絶対に必要? 保険加入は飛行許可申請には必要! ドローン保険の種類 賠償責任保険 機体保険 個人向け/法人向け保険 個人向け保険 法人向け保険 DJI無償付帯賠償責任保険 DJI機体保険 WEB加入型ドローン保険 DJI Care Refresh リフレッシュ交換サービスと延長保証 飛行紛失保証 DJI Care Enterprise 対象製品 DJI Care Enterprise Basic DJI Care Enterprise Plus DJI Care Enterprise Renew ドローンサイバー保険 1日ドローン保険 水中ドローン保険 Airpeak(エアピーク)S1向け保険 農薬散布ドローン マゼックス専用保険 ACSL社製小型空撮ドローン「SOTEN(蒼天)」専用保険 「水中ドローン安全潜航操縦士」付帯保険 ドローン会員限定保険 日本ドローン協会(JDA) 一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA) SKYFIGHT UAS LEVEL2自動付帯施設賠償責任保険 農林水産業用ドローン総合保険 保険加入は絶対に必要? 自動車の自賠責保険は、「自動車損害賠償保障法」という法律によって加入が義務付けられており、自賠責保険に加入していなければ車検が通らず、保険が切れた状態で自動車を運転した場合は刑事罰や免許停止など重たい処分が下されます。 ドローンにおいては、現状義務化された保険制度はありません。しかしながら、上述の通りドローンは空を飛行するものである以上、常に様々なリスクを抱えており、それらリスクから自らの身を守るという観点からも保険への加入をお薦めします。 保険加入は飛行許可申請には必要! 航空局へのドローン飛行許可申請(DIPS)において、保険加入状況を記載する項目があり、第三者への賠償責任保険の加入状況について内容を記載する必要があります。 DIPS(ドローン基盤情報システム)については、「ドローン飛行許可申請のおさらい」をご覧ください。 ドローン保険の種類 ドローン保険には、次の2種類の補償内容を有するものがあります。 賠償責任保険 ドローンの使用に伴い、人や物に対して怪我や破損などの被害を与えてしまった場合に、発生する損害賠償金を補償するのに役立つ保険です。 主な保証対象は次の通りです。・対人賠償:バッテリー切れにより落下した機体が、歩行者と接触し、怪我をさせた。・対物賠償:機体が他人の自動車に衝突し、ドアの一部を損傷させた。・人格権侵害:空撮した映像を投稿したところ、ご近所の方からプライバシー侵害で訴えられた。 プライバシーの侵害については、「ドローン空撮におけるプライバシー権について」をご覧ください。 自動車を運転される方は、自賠責保険だけでなく、任意保険で対人/対物損害の賠償額を積み上げておられると思います。ドローンを操縦される場合でも、人を死亡させてしまったり、大規模な事故の要因となってしまったりして、背負いきれない程の責任を負わなければならない可能性もありますので、賠償責任保険の加入は重要です。 機体保険 機体そのものにかける保険で、自動車保険でいう、車両保険のイメージでしょうか。 機体の故障や破損時の修理費、機体が行方不明になった時の機体の捜索・回収費用や、保管中の災害(火災、落雷、水害)や盗難による損害分などを補償してもらえます。保険によっては、機体に搭載したカメラも補償に含まれるものもあります。 個人向け/法人向け保険 賠償責任保険と機体保険には、「個人向け保険」と「法人・事業主向け保険」とがありますが、これは単に個人あるいは法人が加入するからというだけでなく、両者には「用途の目的」という明確な相違があります。 個人向け保険 個人がその家族や近しい友人の範囲内で楽しむものとしての趣味でドローンを飛行させる場合は、用途としては趣味が目的となりますので、個人向けドローン保険が対象となります。ただし、趣味でドローンを飛行させる場合であっても、空撮映像をYouTubeなどSNSにアップする行為は、収入を得ていない場合であっても業務行為とみなされ、個人向けドローン保険の適用とならないケースもありますので注意が必要です。 法人向け保険 法人や個人事業主が業務や事業でドローンを飛行させる場合は、用途としては事業の目的となりますので、法人向けドローン保険が対象となります。例えば、個人事業主が事業でドローンを飛行させているのに、個人向けドローン保険にしか加入していない場合は、補償が受けられない可能性もありますのでご注意ください。最近は、所有者以外の人にドローンを使用させる場合にも適用されるレンタルプランや、海外で使用した場合に適用される海外プランなどもあります。 ドローンが世の名にいろいろな形で普及するとともに、ドローンを対象とする保険も様々な商品がでてきていますので、ご自身のドローン飛行の目的や内容、あるいは対象となる機種や付属品などを勘案頂き、ご自身に最適と思われるドローン保険を選択ください。 DJI無償付帯賠償責任保険 意外とご存じない方もいらっしゃるようなので、最後にDJI無償付帯賠償責任保険について簡単にお話しておきます。DJI製のドローンを購入した場合に、初年度無料で利用できる賠償責任保険が付いています。但し、保険を有効にするためには、改めて購入者自身が登録手続をすることが必要となりますので、忘れずに対応をしてください。 DJI機体保険 DJI機体保険とは、DJI JAPAN株式会社を契約者とする団体契約です。代理店はエアロエントリー株式会社であり、引受保険会社は三井住友海上火災保険株式会社です。 突風による墜落などの機体自体の損傷や、機体の捜索・回収費用を補償します。またオプションで代替機のレンタル費用や他人に貸し出した際の補償、海外に一時持出した際の補償を選択できます。 WEB加入型ドローン保険 東京海上日動が株式会社FLIGHTSと提携して提供しているWEB加入型の機体保険は、DJIドローンやDJI以外の様々なドローンが加入できる保険です。プランには、ライトプラン、スタンダードプラン、海外プランの3種類があります。 DJI Care Refresh DJI Care Refreshは、DJIが公式に提供しているコンシューマー向けDJI製品の保証プラン(ケアサービス)です。今回は、DJI Care Refreshのケアサービス内容についてお伝えします。なお、DJI製品であれば、このDJI Care RefreshをDJI機体保険のサービス内容と比較されることも価値があるかもしれません。 リフレッシュ交換サービスと延長保証 DJI Care Refresh(1年版)は1年間に最大2回の製品交換、DJI Care Refresh(2年版)では、2年間に最大3回の製品交換を受けることができます。また、DJI Care Refresh(2年版)には通常1年間のメーカー保証が2年間まで延長されるサービスが適用されるようです。 飛行紛失保証 機体が飛行中に紛失してしまった場合、製品交換費用を支払うことで、新たに製品を受け取ることができます。なお、これはリフレッシュ交換の1回に含まれるようです。現時点で、飛行紛失保証のリフレッシュ交換サービスの適用対象は、DJI AIR 2S、DJI Mini 2、Mavic Air 2のようです。 ※2021年9月20日追記 DJI Care Enterprise DJI Care Enterpriseは、DJI Enterprise製品向けに特別設計されたアフターサービスプランです。今回は、DJI Care Enterpriseのサービス内容についてお伝えします。 対象製品 Matrice 200 V2 シリーズPhantom 4 RTKP4 MultispectralMavic 2 Enterprise シリーズMavic 2 Enterprise AdvancedM2EA RTK モジュールMatrice 600 ProZenmuse Z30Zenmuse X5S DJI Care Enterprise Basic 1年間に最大2回の製品交換が可能です。製品交換には別途料金が必要になります。 DJI Care Enterprise Plus サービス保守限度額内で、1年間に回数制限なく製品交換が可能です。製品交換は追加費用は必要ありません。なお、代替機器を追加費用なく利用可能なサービスもあります。 DJI Care Enterprise Renew 保証期間が1年延長されるプランです。Basicは、1年の延長期間中に製品を一度交換可能です。またメーカー保証も12か月延長されます。交換することができ、またメーカー保証も12か月延長されます。Plusは、1年の延長期間中は保守限度額内で無制限の製品交換または無償修理サービスが利用可能です。 ※2021年11月22日追記 ドローンサイバー保険 エアロエントリー株式会社が、DJI公認ドローン保険制度にてドローンサイバー保険オプションの取り扱いを開始しています(引受保険会社:三井住友海上火災保険株式会社)。 ドローンサイバー保険はサイバー攻撃による墜落など様々なサイバー賠償リスクを最大1億円まで補償します。また、墜落事故だけでなくドローンにて取得した情報(機密情報や個人情報等)が外部に漏えいしてしまった場合の被害者への損害賠償責任も最大1億円まで補償されるようです。 操作ミス等による墜落事故の賠償責任を補償する従来のDJI賠償責任保険にオプションとして年間4,000円/1台からのご加入になるようです。 ※2021年12月20日追記 1日ドローン保険 1日ドローン保険は、楽天損害保険株式会社が提供している、1日保険シリーズのひとつです。1日ドローン保険は、1日200円で加入できます。1日保険シリーズには、ドローン以外にも、イベント、スポーツ、旅行と様々な場合に対応可能です。 1日ドローン保険は、ドローンによる事故を補償(賠償責任補償:最大1億円、死亡・後遺障害補償:290万円)しますが、ドローン機体の故障への補償はありません。また、ドローンを業務利用する場合の事故にも対応していないので、注意が必要です。なお、業務利用には、不特定多数の人が閲覧するWEBサイト(Instagram、Facebook、Twitter、Youtubeなど)にドローン映像をアップする行為も含まれますのでご注意ください。 ※2022年2月7日追記 水中ドローン保険 エアロエントリーの水中ドローン保険は次の3種類の保険があります。①メーカーの購入特典として初年度無料で加入でき、第三者への賠償責任を補償する「無償保険」②無償保険に上乗せもでき、海外での利用や共同利用をされる方にも安心な最大10億円の手厚い補償が受けられる「賠償責任保険」③高額な修理費が心配な事故による機体自体の損害や盗難による損害も補償する「機体保険」 ※2022年2月21日追記 Airpeak(エアピーク)S1向け保険 株式会社WorldLink & Companyは、1月28日よりソニーグループ株式会社のプロフェッショナル向けドローン「Airpeak(エアピーク)S1」に適した保険商品『ドローンほけん for Airpeak』の販売を開始しました。 取り扱う保険は、「動産総合保険」と「施設所有管理者賠償責任保険」となります。 ※2022年3月7日追記 農薬散布ドローン マゼックス専用保険 農薬散布ドローンを展開するマゼックスが自社製品を対象とした『マゼックス専用保険』を用意しています。 ※2022年4月11 日追記 ACSL社製小型空撮ドローン「SOTEN(蒼天)」専用保険 株式会社サウスコアは、 『ACSL社製小型空撮ドローン「SOTEN(蒼天)」専用保険』の受付及び提供を開始しました。 取り扱う保険は、「動産総合保険」と「施設所有管理者賠償責任保険」となります。 ※2022年4月25 日追記 「水中ドローン安全潜航操縦士」付帯保険 日本水中ドローン協会は、認定ライセンス「水中ドローン安全潜航操縦士」へ賠償保険の無償付帯制度を設けることとなりました。 対象者は、一般社団法人日本水中ドローン協会認定【水中ドローン安全潜航操縦士】ライセンス取得者かつ日本水中ドローン協会会員のみとなっているようです。 ※2022年5月2日追記 ドローン会員限定保険 日本ドローン協会(JDA) 日本ドローン協会(JDA)の会員になることで利用できる会員特典保険です。加入することで保険の他にも様々な特典(ドローン練習場やセミナーの割引等)が受けられます。 一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA) 一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)には、2種類の会員向け保険(東京海上日動火災保険・三井住友海上火災保険)があります。 ※2022年6月13日追記 SKYFIGHT UAS LEVEL2自動付帯施設賠償責任保険 管理団体である株式会社ドローンネットは、ドローン技能認証資格「UAS LEVEL2」取得し、維持する者に、施設賠償責任保険を自動付帯させるサービス「SKYFIGHT UAS LEVEL2自動付帯施設賠償責任保険」を新たにスタートしました。 ※2022年5月16日追記 農林水産業用ドローン総合保険 対象用途は、農林水産業用となっており、2022年4月1日保険始期契約よりご加入いただけます。ドローンの操縦中・保管中等においてドローンの機体自体に生じた損害を補償する「機体補償」(動産総合保険)および、ドローンの操縦等に起因して他人の身体・財物に損害を与えた場合の賠償責任を補償する「賠償責任補償」(施設賠償責任保険)の2つの保険で構成されています。 UAVJAPANは大阪に拠点を置き、空撮・点検・測量など様々なドローン関連事業を展開しています。ドローンスクールでは、基礎からビジネス向けの操縦技術および法規制から飛行申請実務まで充実したカリキュラムを受講いただけます。ドローンに関わる業務への進出やドローン操縦の資格取得など、ご興味がありましたら是非、お気軽にお問い合わせください。 お問い合わせ ドローンに関するお問い合わせはお気軽にどうぞ