【2023年】ドローンを屋外で飛行させるには 

【2023年】ドローンを屋外で飛行させるには 

2023/01/23

2022年は、航空法の改正が6月と12月に行われ、無人航空機(ドローン)の運用において大きな変革の年でした。 

2022年6月20日より、ドローンの機体登録が完全義務化されました。

これにより、機体重量(機体+バッテリー)100g以上のドローンを屋外で飛行させるためには、まず機体登録(所有者の氏名・住所、機体情報等の国土交通省へ届出)、登録記号のドローンへの表示、ドローンの識別措置(リモートID)の搭載を行うことが必要となりました。

登録制度や登録手続については、「無人航空機(ドローン)登録制度」をご確認ください。

2022年12月5日より、これまで実施できなかったレベル4飛行(カテゴリーⅢ飛行)が一定の条件下で解禁されました。これに伴い、2022年12月5日から下記制度の運用も開始されました。

・機体認証

・無人航空機操縦者技能証明

これまで民間管理団体が運用管理していた技能認証(ドローン操縦の資格・ライセンス)とは異なり、自動車の運転免許などと同様に国が設立、運用管理する国家資格としての操縦ライセンス(技能証明)となります。

国家資格制度については、「操縦ライセンス(技能証明)制度(国家資格)」をご確認ください。

・運行ルール

これら3制度の概要については、国土交通省の「無人航空機レベル4飛行ポータルサイト」もご覧ください。

なお、レベル4(カテゴリーⅢ飛行)の実施に際しては、「機体認証」と「無人航空機操縦者技能証明」への対応が必須となります。

2023年1月現在、新たに購入した機体重量(機体+バッテリー)100g以上のドローンを屋外で飛行させるためには、事前に機体登録により得た登録記号を機体へ表示し、リモートIDを搭載したドローンを用意した上で、以下の項目について確認・検討することが必要となります。

特定飛行

特定飛行とは、航空法において国土交通大臣の許可や承認が必要となる空域及び方法での飛行で、基本的に飛行許可・承認手続きが必要になります。

特定飛行には、次のような飛行空域や飛行方法が該当します。 

飛行空域

飛行空域

飛行方法

飛行方法

飛行カテゴリー

改正航空法の下では、ドローンによる飛行は、リスクの低いほうからカテゴリーⅠ、カテゴリーⅡ(さらにⅡBとⅡAに分類)、カテゴリーⅢに分類されています。

カテゴリーⅠ飛行

特定飛行に該当しない飛行。

特定飛行に該当しないため、飛行許可・承認申請は不要です。

但し、機体重量(機体+バッテリー)100g以上のドローンを屋外で飛行させるためには、事前に機体登録により得た登録記号を機体へ表示し、リモートIDを搭載したドローンを用意することが必須となりますので、ご注意ください。

カテゴリーⅡの飛行

特定飛行のうち、無人航空機の飛行経路下において立入管理措置を講じたうえで行う飛行(第三者の上空を飛行しない)。

カテゴリーⅡB

人口集中地区上空、人または物件から30m以内、夜間飛行、目視外飛行、25kg未満の機体

二等以上の技能証明(国家ライセンス)を受けた者が、第二種以上の機体認証を受けたドローンを飛行させる場合、飛行マニュアルの作成等無人航空機の飛行の安全を確保するために必要な措置を講じることにより、許可・承認を不要とすることができます。

カテゴリーⅡA

空港等周辺、150m以上、催し場所上空、危険物輸送、物件投下、25kg以上の機体

技能証明(国家ライセンス)や機体認証の有無にかかわらず、個別に許可・承認が必要となります。

人口集中地区上空、人または物件から30m以内、夜間飛行、目視外飛行、25kg未満の機体

二等以上の技能証明(国家ライセンス)と第二種以上の機体認証がない場合は、許可・承認が必要となります。

※なお、民間の技能認証(ライセンス)など一定の飛行能力を有する場合も、これまで通り、許可・承認を取得することでドローン飛行可能となります。

 民間資格(技能認証)は、今後も継続して資格制度として継続しますので、民間資格と国家資格は共存
 することとなります。
 民間資格を保有し、飛行場所、飛行方法に応じて国土交通省に飛行申請を行うことで、一等および二等
 の技能証明(国家ライセンス)を有していなくても、従来通り航空法に基づきドローンを飛行させるこ
 とができます。

カテゴリーⅢの飛行

特定飛行のうち、立入管理措置を講じないで行う飛行(第三者の上空で飛行させる)。

一等技能証明(国家ライセンス)を受けた者が、第一種機体認証を受けたドローンを飛行させる場合であって、飛行の形態に応じたリスク評価結果に基づく飛行マニュアルの作成を含め、運航の管理が適切に行われていることを確認して許可・承認を受けた場合に限ります。

飛行カテゴリー決定のフロー図

ドローン飛行を計画される場合は、下記「飛行カテゴリー決定のフロー図」を参照の上、必要な手続をご確認ください。

ドローン情報基盤システム(DIPS)2.0

2022年6月20日よりドローンの機体登録が完全義務化され、2022年12月5日より国家ライセンスである無人航空機操縦者技能証明、機体認証、型式認証、飛行情報通報義務と様々な制度の運用が開始されました。

2022年12月5日より前には、機体登録をする場合はドローン情報基盤システム(登録機能:DRS)、包括申請など飛行許可承認申請を行う場合はドローン情報基盤システム(飛行許可承認申請機能:DIPS)、飛行情報を共有する場合はドローン情報基盤システム(飛行情報共有機能:FISS)と全て別々のシステム(Webサイト)を用いて申請する必要がありました。

従来のDRS・DIPS・FISSはそれぞれ独立したシステムとなっていました。これらシステム毎にWEBサイトが異なっており、さらにログインIDとパスワードも異なるなど、情報管理や使用方法の煩雑さが問題点として指摘されていました。

今回新設されたドローン情報基盤システム(DIPS2.0)では機体登録、飛行許可承認申請、飛行情報共有を1つのWEBサイトで申請できるようになり、ログインIDやパスワードは登録機能:DRSで使用されているものにまとめられました。

手続きの詳細については、下記サイトをご確認ください。 

なお、2022年12月5日より、飛行許可・承認を受けた飛行(特定飛行)を実施するにあたっては、飛行計画の通報、飛行日誌の作成が必要となっていますので、ご注意ください。
また、特定飛行かどうかに関わらず無人航空機に関する事故等が発生した場合、救護義務及び当該事故の詳細を航空局へ報告する必要がありますので、こちらもご注意ください。

飛行計画の通報

この制度は、無人航空機を特定飛行させる者が、事前に当該飛行の日時、経路などの事項を記載した飛行計画を国土交通大臣に通報する制度です。

これまではFISSへ飛行計画を登録していましたが、飛行開始日が2022年12月5日以降となる飛行計画の登録については、新たにリリースされたDips2.0から手続きを行う必要があります。

詳細は、無人航空機の飛行計画の通報要領」をご確認ください。

事前に飛行許可承認を取得している場合でも、必ずDIPS2.0から飛行計画の通報を行った上で、ドローン飛行をお願いします。

なお、飛行計画の通報をせずに特定飛行を行った場合は、航空法第157条の10に従い、30万円以下の罰金が科せられますので、ご注意ください。

飛行日誌の作成

この制度は、無人航空機を特定飛行させる者が、飛行・整備・改造などの情報を遅滞なく飛行日誌に記載しなければならない制度です。

2022年12月5日より、特定飛行(DID、夜間飛行、目視外飛行、30m接近飛行など)を行う場合は、飛行・整備・改造などの情報をまとめた飛行日誌を作成しなければなりません。

飛行日誌は、「飛行記録」、「日常点検記録」、「点検整備記録」の3点をまとめた資料になります。飛行日誌の作成の詳細については、「無人航空機の飛行日誌の取扱要領」をご確認ください。

飛行記録

飛行記録とは、飛行した場所、着陸時間などをまとめた資料です。

飛行記録は飛行後に作成する必要があります。

記録は機体毎、1飛行毎に行う必要があります。

目的地に着陸後、バッテリーの交換等のために電源を停止させた場合は、そこまでで1飛行となり、交換後の飛行は2飛行目となります。

飛行記録の様式例が、上記取扱要領に様式1として記載されています。

日常点検記録

日常点検記録は、「飛行の前後」に行います。

結果には「正常」または「異常」と記入します。

なお、日常点検で発見した不具合等及び是正に係る整備処置等の実施記録ついては、点検整備記録に記入しなければなりません。

飛行記録の様式例が、上記取扱要領に様式2として記載されています

点検整備記録

点検整備記録は、定期的な点検等を行った場合に行います。

定期的な点検とは、メーカーの定める点検推奨時間、それが定められていない場合は飛行マニュアルに従い飛行時間20時間毎に行います。

点検整備記録の様式例が、上記取扱要領に様式3として記載されています

常時携行の義務

操縦者はドローン飛行を行う場合、飛行記録、日常点検記録、点検整備記録の3点をまとめた飛行日誌を紙あるいはデジタル形式で常時携行し、確認事項が発生した場合に参照又は提示が可能な状態としておく必要がありますので、ご注意ください。

事故・重大インシデントの報告

事故や重大インシデントが発生した場合においては、操縦者が国土交通大臣に事故などの内容の報告を行う必要があります。

事故:無人航空機による人の死傷(重傷以上の場合)、第三者の所有する物件の損壊、航空機との衝突又は接触
重大インシデント:航空機との衝突又は接触の恐れがあったと認められるもの、無人航空機による人の負傷(軽症の場合)、無人航空機の制御が不能となった事態、無人航空機が発火した事態

なお、事故等の報告をしない/虚偽の報告を行った場合、航空法第157条の10第2項に従い、30万円以下の罰金が科せられますので、ご注意ください。

UAVJAPANは大阪に拠点を置き、空撮・点検・測量など様々なドローン関連事業を展開しています。


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