先日おさらいした「ドローン飛行申請」で、航空局から許可・承認を受けなければならないドローン飛行方法には2種類のルールがあることをご説明しました。
航空法に無人航空機(ドローン)に関するルールが定められたのは、2015年12月10日に施行された改正法からです。
2015年4月22日の首相官邸無人機落下事件により、ドローンを用いたテロリズムや犯罪行為が起こる危険性が明らかになると、ドローン等(重量200g以上)の飛行ルールや国の重要な施設の上空でのドローンの飛行禁止について定める必要が生じました。
この改正航空法で、初めてドローンなどの無人航空機が航空機に含まれることになりました。
※2022年6月13日追記
飛行ルール(航空法第9章)の対象となる機体
※重要 令和4年6月20日から、重量100g以上の機体が「無人航空機」の扱いに変わり、飛行許可承認申請手続を含む、航空法の規制対象になります。
並行して、令和4年6月20日から、無人航空機の登録も義務化となりますので、登録手続をお願いします。
最近の改正航空法
2021年6月11日、航空法等の一部を改正する法律(法律第65号)
ポイントは、技能認証と機体認証で、それぞれ区分が設定されるようです。
技能認証:一等無人航空機操縦士又は二等無人航空機操縦士の資格区分
機体認証:第一種機体認証又は第二種機体認証の区分
今回の改正における無人航空機(ドローン)関係の概略は次の通りです。
原則として、公布日から9カ月以内に施行される予定ですので、今後ドローンに関する具体的施策が示されることになります。
UAVJAPANでは、今後公表される各施策について、タイムリーにわかりやすく解説させていただくべく、情報収集に努めてまいります。
※2021年9月20日追記
ドローン登録制度とリモートIDの導入
2020年6月17日の改正航空法による「ドローン登録制度とドローン機体の識別情報を表示する義務化」の施行が2022年6月に予定されています。そして表示するために使用されるのがリモートIDによる発信とされています。
国土交通省「レベル4飛行の実現に向けた新たな制度整備等」より
リモートID
リモートIDは、飛行中のドローンから情報(登録記号、製造番号、位置情報、時刻、認証情報など)を発信し、関係者(警察官、航空局管理者など)が情報を受信できるシステムのことです。
リモートIDの実装は、内蔵型、外部機器による発信が想定されています。
情報登録及びリモートID搭載の対象ドローン
原則として、100g以上のマルチコプター、シングルローター、固定翼機等全ての登録対象の無人航空機をリモートIDの取り付け義務の対象とするようです。
100gのドローンに外部機器を実装することが現実的なのか、まだまだ疑問の残るところも多い状況です。
リモートIDの開始時期
リモートIDの開始時期は、ドローン登録制度の施行と同様に2022年6月を予定していますが、改正法の附則では経過措置の設定も認めています。
※2022年05月09, 16, 23日追記
リモートIDの免除について
「リモートID機能の搭載」が免除される方法を3つご紹介します。
①2022年6月19日までに機体登録を完了させる
2022年6月20日に正式に開始される「ドローン登録制度」は、6月19日まで事前登録手続を受け付けています。6月19日までに機体登録を済ませた機体(ドローン)についてはリモートIDにかかる義務の免除を受けることができます。
②リモートID特定区域で安全措置を講じる
リモートID特定区域(5開庁日前までに国交省航空局へ必要事項の届出をした区域)の範囲内で、以下のような安全措置を講じた場合、リモートID機能が免除されます。
- 国土交通大臣に届出をした飛行区域の境界線の明示
- 補助者を配置するなどの安全確保の措置
なお、リモートID特定区域届出の詳細に関しては、「リモートID特定区域の届出要領」をご確認ください。
③係留飛行を行う
市販の係留用リールを使用して飛行を行います。なお、30m以内に限定されるため、注意が必要となります。
係留飛行は、2021年9月24日の航空法施行規則の一部改正で認められたものです。
十分な強度を有する紐等(30m以下)で係留し、飛行可能な範囲内への第三者の立入管理等の措置を講じてドローン等を飛行させる場合は、DID飛行、夜間飛行、目視外飛行、第三者から30m以内の飛行及び物件投下の許可・承認を不要としました。
※2022年07月25日追記
ドローンメーカーによるリモートIDへの対応
国土交通省航空局の無人航空機の登録制度に関するWebサイトに、ドローンメーカーからリモートIDに適合しているとして届出があった機器の情報「適合しているとして届出があったリモートID機器等の一覧」が掲載されていますので、是非ご確認ください。
※2021年11月08日追記
アメリカでのリモートID
アメリカでもリモートIDの義務化が進められています。
リモート ID の最終規則は 2021 年 4 月 21 日に有効になっています。
ドローンメーカーは、2022年9月16日までに最終規則の要件を準拠する必要があります。
ドローンユーザー(操縦者)は、2023年9月16日までに以下のいずれかの方法を選択してドローンを飛行させることになります。
①リモート ID 機能内蔵ドローンの飛行
②リモート ID 機能を有する外付モジュールを装着したドローンの飛行
③FAA公認エリア内での飛行⇒リモートIDを搭載していないドローンは、FAAが認めた特定の指定地域内でしか飛行することができなくなります。
※2021年11月29日追記
EUでのeID
EUのeID規則は2020年12月31日に施行されました。
対象はEU加盟国+イギリス・スイスを含む32ヵ国となります。
この規則は2023年1月1日までを準備期間とし、2023年1月1日以降完全施行となります。
ドローン操縦士登録が完了すると「eID」という電子識別番号が通知されるので、これをドローンに明示する必要があります。
※2021年10月18日追記
10月11日より、国土交通省はパブリックコメントの受付開始
今回の「航空法施行規則の一部改正」案のポイントは、次の通りです。
無人航空機の登録制度
ドローンの各機体毎の国への登録が義務付けられます。
・事前登録開始期日は令和3年12月20日、義務化期日は令和4年6月20日
無人航空機登録原簿の記載事項
・無人航空機の重量の区分(25kg未満か25kg以上か)
・無人航空機の改造の有無
・所有者及び使用者の連絡先
・リモートID機能の有無
登録記号を識別するための措置
・機体表面への物理的な表示
・リモートID機能の搭載
登録の有効期間、更新の申請
・登録有効期間・更新期間はそれぞれ3年間
申請方法及び手数料
航空法第2条第22項の国土交通省令で定める機器の範囲の見直し
重量100g以上のドローンが航空法の規制対象となります。
施行日は令和4年6月20日
現在航空法の規制対象外である100g以上200g未満のドローンもいよいよ規制対象となりますので、該当する機種をお持ちの方はお気を付けください。
※2021年12月6日追記
無人航空機登録ポータルサイト
2021年11月19日 無人航空機登録ポータルサイトがオープンしました。
いよいよ無人航空機(ドローン)登録制度が動き出します。
無人航空機(ドローン)の登録が義務化されます。
・事前登録受付:2021年12月20日開始
・登録義務化:2022年6月20日開始
・登録対象:100g以上の機体
※2022年4月18日追記
航空法施行規則第5条の2の改正
この改正に伴い、2022年6月20日以降、100g以上の機体が「無人航空機(ドローン)」の扱いに変更されます。
事前申請受付期間(6月初旬を予定)を設けた上で、6月20日以降、100g~199gのドローンにおいても飛行許可書及び承認書の発行手続を行います。
※2021年10月11日追記
申請手続きの利便性向上に向けて
2022年度中に航空法関係システム(DIPS/FISS)統合・機能連携することにより、申請手続きの合理化、ドローンの利用者の利便性の向上を目指しています。
国土交通省「レベル4飛行の実現に向けた新たな制度整備等」より
※2021年10月25日追記
機体認証制度
2022年12月の新制度施行を目指し、今年度中に機体の安全基準の方向性を示すようです。
登録検査機関の認定は、2022年9月の登録受付開始を目指し、今年度中に登録要件の方向性を示すようです。
国土交通省「レベル4飛行の実現に向けた新たな制度整備等」より
※2021年11月1日追記
操縦ライセンス制度
2022年12月頃の新制度施行を目指し、操縦者に求める知識・能力を整理した上で、今年度中に学科及び実地試験の全体像を示すようです。
登録講習機関は、2022年9月の登録受付開始を目指し、今年度中に登録要件の方向性を示すようです。
国土交通省「レベル4飛行の実現に向けた新たな制度整備等」より
※2021年11月15日追記
ドローンの飛行レベル
2022年12月頃に施行を目指す「機体認証制度」と「操縦ライセンス制度」は、ドローンのレベル4飛行実現に向けて整備が進められています。
そして、技能証明を有する者が機体認証を受けたドローンを飛行させる場合、国の許可や承認を受けることでレベル4飛行を可能にすること、また、これまで国の許可・承認を必要としていたレベル3飛行などについても手続を合理化することを目標としています。
※2021年11月22日追記。
レベル1 目視内での操縦飛行
目視できる範囲内で手動操作する一般的なドローン利用の形態
農薬散布や映像コンテンツのための空撮、橋梁や送電線といったインフラ点検など
レベル2 目視内飛行(自動/自立飛行)
目視できる範囲内で自動飛行機能を利用した飛行形態
自動飛行プログラムによる農薬散布、測量や設備点検など
レベル3 無人地帯での目視外飛行
住民や歩行者らがいない地域において目視できない範囲まで飛行する形態
離島や山間部への荷物配送、被災状況の調査、行方不明者の捜索、長大なインフラの点検、河川測量など
レベル4 有人地帯での目視外飛行(現在は原則禁止)
市街地地域において目視できない範囲まで飛行する形態
都市部における物流や警備、インフラ点検など
小型無人機等飛行禁止法(警察庁)
2015年4月22日の首相官邸無人機落下事件を契機に、航空法とともに設定された無人航空機(ドローン)に関するルールが小型無人機等飛行禁止法であり、2016年4月7日に施行されました。
この法律は、国が定める重要な施設の上空や周辺でのドローン飛行の禁止について定めるものです。
小型無人機等飛行禁止法においては、重要施設及びその周囲おおむね300mの周辺地域の上空における小型無人機等の飛行が禁止されています。
小型無人機には、無人飛行機(ラジコン飛行機等)、無人滑空機、無人回転翼航空機(ドローン等)、無人飛行船などが含まれます。但し、航空法における重量200g以上という限定はかけられていません。
従って、200g未満のドローンやトイドローンも、この法律の規制対象となることに注意が必要です。
小型無人機等飛行禁止法における飛行禁止の範囲、対象、施設などの概要は次の通りです。
なお、スポーツ庁は、6月29日、東京五輪・パラリンピックの準備期間や開催中に、ドローンを含む小型無人機等の飛行を禁止すると発表し、競技会場や関連施設など39か所が指定されました。また、各会場・施設ごとにその期間が定められていますので、ご注意ください。
UAVJAPANは大阪に拠点を置き、空撮・点検・測量など様々なドローン関連事業を展開しています。
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